ロードバイクを始めてビックリしたことのひとつに、体重の大切さがあります。特に、ヒルクライムでは顕著に体重の重い・軽いが効いてくるのは、誰もが体験的に知っているはず。「少しでも速くなるためにいっぱい体重減らそう!」と、苛烈なダイエットに手を出したくなるのは人情というものです。でも、果たして、ダイエットが本当に良いのか? 我らがGCNがこの疑問を追及しています。
Cycling’s Body Weight Obsession – How Light Is Right For You?
紹介するのは、12月2日に公開されたばかりのGCN動画「Cycling’s Body Weight Obsession – How Light Is Right For You?(体重への強迫観念 ― あなたにとって最適な軽さは?)」であります。
強迫観念から摂食障害になったプロサイクリストを取り上げる
20分ちょいと、少々長めの動画ですが、まぁとにかく見てください。最近は自動字幕も非常に正確で、言葉が聞き取れなくても目で追うことができますし、英語の勉強になって一石二鳥(*´ω`*)
内容は以下でも紹介しますが、パワーウェイトレシオの大切さから、ベン・キングが経験した摂食障害、専門家による「最適な体重」の話、まとめ、と続きます。
パワーウェイトレシオというパワーワード
ではでは、順を追って見てまいりましょう。まずはお馴染み「パワーウェイトレシオ」から。
ヒルクライムで効いてくるパワーウェイトレシオ
最初は誰もが知る一般常識「パワーウェイトレシオ」のお話から。平坦は関係が薄いけど、上りになると途端に影響が出てくるのが体重であります。
空気抵抗が減るヒルクライムでは、体重が軽ければ速く上れる。シンプル極まりない、ヒルクライムのパワーウェイトレシオのロジックであります(; ・`д・´)
プロのような外見になりたい!?
ちなみに、パワーウェイトレシオの話の前に、GCNでサラッと冒頭で触れられているのがボディコンシャスの話。ピチパンスタイルは体のラインがモロ分かりであります。
なので、少しでもスリムでスマートにお腹は引っ込めたいと願うのは人情というもの。理想形として、ツールドフランスなどで走るプロライダーがおりますで、そういった体型を思い描きながら、体重を減らさなきゃ!と思うのかもしれません。
摂食障害に苦しんだベン・キング
ここで登場するのが、チーム・ディメンションデータに所属するベンジャミン・キング選手。2018年のブエルタでステージ優勝したりと活躍している選手ですが、体重を意識し過ぎて摂食障害になったそう(; ・`д・´)
ベン・キングの告白
パフォーマンスを追い求めるあまり摂食障害になったというベン・キング。ジュニアのとき、アメリカでは圧倒的だったのに、ヨーロッパに挑戦したら、まったく歯が立たず驚愕したそう。「トレーニング不足なんじゃないか!? 才能がないんじゃないか!?」とショックを受け、練習に明け暮れたそうです。
その練習内容はまぁ凄いもの(;´Д`) お父さんがコーチだったそうで、あまりに息子が練習する(1日4回も激しく追い込んでいたとか)のでサイクリングシューズを隠したりしたですと。。。
でも、トレーニングで得られるパワーには限界がある。そこで気付いてしまったのがパワーウェイトレシオ(;´Д`) 「やせればいいじゃん(゚∀゚)!」ということで食べるのを止め、食べてしまったときは吐き出すことを繰り返すようになりました。
ベン・キング曰く、「当時、本当に必要だったのは休むことだったろう。けれど、疲れを押し切って練習するのか、休みを取るのか、バランスを取るのはとても難しかった」と。
最適な体重とは何か?
ベン・キングの話を聞いていると、果たしてこれは遠い世界のトップレベルの話なのか、それとも身近で当てはまることなのか・・・。
アスリート専門の栄養士が語る最適な体重
登場するのは栄養士のRenee McGregor(レニー・マグレガー)さん。「最適な体重は?」との質問に、「定期的にトレーニングして、たくさん自転車に乗っている人は、すでに最適な体重になっている」ですと。「ダイエット目的」などで始めたばかりの人はすぐに痩せていくのだそう。
んん、つまり、定期的に練習していて食事制限をしていない体重が最適な体重、ということかな??
軽さの幻想と弊害
レニーさん曰く、パフォーマンスが上がる体重と故障が多くなる体重は紙一重なんですと。理想はBMIやホルモン、甲状腺、炎症マーカー、体脂肪率の値をしっかり見て、栄養も継続的に摂ることなんだけど、これらを「首尾一貫していろいろなデータを追いパフォーマンスを見る」人はほとんどいないんだそう。「体重は単なる数値で、体組成は何も分からない」とぶっちゃけています(´_ゝ`)
困るのは「体重が減るとパフォーマンスを上がる」こと。ただし、そのパフォーマンスは維持できず、すぐに衰えてしまう・・・から、強迫観念 comes in(;´Д`)
イライラしたりよく眠れなくなったり、数値にとらわれて普段とは違うことを拒否(飲み会などの友達付き合いを避けるなど)するようになったりと、不安にかられてしまうそう。しかも、さらに困ったことに、その不安を解消する方法が、(不安の発端となった)元の行動=トレーニングや食事制限に立ち戻ることなんですと。
何という負のスパイラル(;´Д`) 冒頭のベン・キング選手もこのスパイラルに陥ったようであります。
無事是名馬という格言
さて、その後のベン・キング選手ですが、どうなったかと申しますと・・・。
体重は最軽量時から4kg増加、でも怪我なくパフォーマンスもベスト
最後に冒頭のベン・キング選手に戻ります。若いころは摂食障害に苦しんだベン・キング選手ですが、今ではブエルタでステージ優勝するなど大活躍中。現在の体重を聞いてみたところ・・・
タフになるには体重が必要。ハイレベルで年間とおして戦うには、体重が軽いと病気や怪我しやすくなってチームのお荷物になる。前は体重を軽くすることだけに一生懸命で67~68kgだったけど、今は70~71kgでキャリアハイのリザルトを出せている。
Cycling’s Body Weight Obsession – How Light Is Right For You?
僕自身も体重が減り過ぎるとパフォーマンスが下がった
僕自身の経験的にも、怪我や病気になりやすいラインがあるようです。だいたい、62kgがマックスで一番体が軽い感じがして、61kg台かそれ以下になると暴飲暴食、風邪や原因不明の体調不良でダウンという感じ。
何はともあれ無事是名馬でございます(;´Д`) ダイエットを苛烈に追い求めるのは、注意が必要かもしれません・・・。
以上、体重を求めすぎるのも危険! というGCNからの警鐘でした。「プロのイメージを追い求めて体重ばかり気にするのは良くない!」と、動画全体を見て感じましたです。
ちなみに、僕レベルの貧脚ですと、体重を気にする前にモアパワー&モアパワー。筋肉がないことには速くなれないと思われます(;^_^A 筋トレ、どうしてもサボっちゃうんだよなぁ。。。何か良い習慣づけの方法はないものか(;´Д`)
コメント
りんりんさん、ありがとうございます!
>体重よりも体脂肪率を下げるダイエットの方が効果的だと思います。筋肉質の体に憧れる(笑)
そこで筋トレの出番ですね(゚∀゚)
山本元喜選手のツイッターが筋トレ&プロテイン推しで面白いですw
過剰なダイエットの落とし穴として、体重は落ちたのに脂肪はあまり落ちなかったと言うのがありますね。
体重よりも体脂肪率を下げるダイエットの方が効果的だと思います。筋肉質の体に憧れる(笑)
自分も昔は体脂肪率が10を切るぐらいの時期がありまして、健康診断の時医師から「もっと脂肪をつけなさい」と良く言われました。
体脂肪率が20を切らない現在の自分からは信じられないです。当時からロードに乗っていたらなぁ(笑)