ちょっと前のニュースなのですでにご存じの方も多いかもしれません。遂に、ようやく(!?)女子レースの賞金が男子と同じになったんですって! ロンド・ファン・フラーンデレン、今年の賞金は女子も男子も同じ5万ユーロになりました!
ロンド・ファン・フラーンデレンの賞金が男女同じに
男子と女子の賞金格差が問題になって久しい自転車ロードレース界において、格差是正の動きがようやく現実のものになりました。
今年のロンド・ファン・フラーンデレンは男女同じ賞金額です
Velo Newsの2月21日の記事をクリップしておいたのです。それによると、今年のロンド・ファン・フラーンデレンは賞金が男女同じ5万ユーロ(約650万円)になりましたの!
“This season we are making the effort to increase the prize money in the women’s edition of the Tour of Flanders to 50,000 euros, the same amount that is distributed among the winners in the men’s edition,” Flanders Classics CEO Tomas Van Den Spiegel told De Tijd. “From 2023, the intention is to equalize the prize money for all our spring competitions.”
Report: Tour of Flanders to offer equal prize money for men and women in 2022
[抄訳]「今シーズンはロンド・ファン・フラーンデレンの女子の賞金を、男子と同じ5万ユーロに引き上げる」と話すのはフランドルクラシックスCEOのトーマス・バン・デン・スピーゲル。「2023年以降は他の春のレースでも賞金を男女平等にしていく」と述べています。
スポーツ界の男女格差は埋まるか?
優勝賞金の格差は、近年特にやり玉に挙がっているところ。去年2021年の春レース「オムロープ」では、男子の優勝賞金が1.6万ユーロだったのに対し、女子が930ユーロだったのは記憶に新しいかもしれません。
女子レースの資金をどう確保するのか?
わずか1年で半ば強引に賞金を引き上げたのは、Flanders Classicsの英断でありましょう。しかし、気になるのは、一気に賞金を上げてしまって大丈夫なのか(運営的に)? というところ。
資金をどうするかは、先ほどのフランドルクラシックスのCEOトーマス・バン・デン・スピーゲルも頭を抱えるところで、正直に心情を吐露しています。
We still face a lot of obstacles. No money has yet been paid for the TV rights of women’s races. We are also still too dependent on the men’s race that is run on the same day for income from sponsorship and VIP packages. We have to arrive at a product that can stand on its own as much as possible.
Report: Tour of Flanders to offer equal prize money for men and women in 2022
[抄訳]乗り越えなければいけない壁はまだまだたくさんある。女子レースの放映権の代金はいまだ支払われておらず、同日開催の男子レースのスポンサー料やVIPパッケージ収入に依存している状況だ。できる限り(女子レース)単独で成り立つ製品を開発しないといけない。
男女のイコールペイは世界的潮流
前途は多難でありますが、しかし男女の賃金格差是正は世界的な潮流であります。時を同じくして、アメリカでは歴史的な和解が出ました。
全米サッカー協会、6年越しの性差別訴訟で和解
ロンド・ファン・フラーンデレンの同額賞金のニュースが出た翌日(2月23日)ですかね。アメリカの女子サッカー・ナショナルチームが、性差別と賃金平等を訴えて争っていた裁判が和解となりました。
和解金は約2,400万ドル(約27億円)で、さらにボーナス含む賃金を男子ナショナルチームと同等する約束も盛り込まれました。もともとの訴訟金額は6,600万ドルで、今回の和解金はその1/3。和解金は選手間で分配するそうです。
裁判の経緯
突然出てきたようなニュースに感じますが、実は女子サッカーの性差別を訴えたこの訴訟は6年をかけて争われたもの。
ことの発端は2016年4月、5人の選手がEEOC(雇用機会均等委員会)に不服申し立てをしたことから始まります。
それから3年後の2019年、Equal Pay Act(同一賃金法)とCivil Rights Act(公民権法)第7編にもとづいて訴訟に発展。
2020年12月にチャーター便の利用や宿泊施設などの労働条件で合意。同一賃金については一度地裁で破棄されたものの、今年の3月7日に第9巡回区控訴裁判所で再度争うことになっていました。
上記がアメリカ女子サッカーの同一賃金をめぐる大まかな流れであります(出典:US women’s team players see settlement as turning point)
日本にも同一賃金の潮流は来るか?
正規・非正規問わずビジネスの世界でも、男女の賃金格差が問題になっている世の中です。スポーツ界でも注目されないワケがありません。
市民イベントの賞品は男女差ないようだけれども!?
幸か不幸か、市民イベントほど男女間の賞品の格差は少ない模様!? デゲメン氏がレースで稼いできた賞品&賞金で潤った生活をしているワタクシからしますと、市民イベント万歳のひと言(´_ゝ`)
平等の空気が市民イベントほど高い気がするのはとても興味深いように思えます。
いずれにしても、性別やら年齢やら国籍やら何やらで賃金や労働環境に差を付けることを合理的な説明できない時代になりました。同一労働・同一賃金の流れはビジネス界・スポーツ界問わず加速していくのかもしれません。
まずは、賃金とプライドだけ高い“働いている風おじさん”を一掃することから始めなくては! やめてくれ~こう見えて僕は一生懸命働いている(風な)んだ~(;´Д`)
以上、ロンド・ファン・フラーンデレンの大快挙! 優勝賞金が男女同じになりました! なお話でした。
コメント