ツールドフランス優勝のポガチャルも2位のヴィンゲゴーも使ってる(; ・`д・´) 危険な毒ガス・一酸化炭素をなぜプロ選手は使うのか⁉

今年のツールドフランスはUAEのポガチャルが盤石のレース運びで優勝を飾りました。そんなツールでありますが、第2週で「ツールらしい!?」興味深いニュースが報告されました。ツールに出場したチーム・ヴィスマ・リースアバイク(ヴィンゲゴーが所属)とUAEチームエミレーツ(ポガチャルが所属)、イスラエルプレミアテックが一酸化炭素吸引機(リブリーザー)を使用していることを認めたんですと。うん、一酸化炭素!? そんな危険なガス吸ったら危ないじゃないか(; ・`д・´) なんで、そんな危ないことやってるんだい!?

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今年のツールの流行は一酸化炭素吸引

衝撃的・・・というよりも「なんだそりゃ!?」という感じの一酸化炭素吸引ニュースが報じられたのはツールドフランス第2週のこと。 Escape Collectiveという情報サイトが報じました。

ツールドフランスに参加している複数のチームが使用

Escape Collectiveによると、ツールドフランスに参加している複数のチームが一酸化炭素を吸引する機器を使用しているのだそう。それらのチームにはヴィンゲゴーが所属するヴィスマ・リースアバイクやポガチャルが所属するUAE、あとはイスラエルプレミアテックが含まれています。

Escape Collectiveの取材に対し、これら3チームは一酸化炭素吸引機(リブリーザー)の使用を認めております。

なんで危険な一酸化炭素を吸引するの!?

一酸化炭素と言えば、酸欠を引き起こす非常に非常に危険な気体として知られています。なぜそんな危ないガスをツールに出るチームが使っているのでしょう!?

一酸化炭素を使う目的は2つ

Escape CollectiveおよびEscape Collectiveをもとにしたその他の自転車系情報サイトによると、ツールに出るチームが一酸化炭素を使用する目的は2つ。1つは、高地トレーニングの適応具合を確認するため。

一酸化炭素はヘモグロビンと結合しやすく、血中のヘモグロビン値を正確に測る際に使用されます。高地に適応していればヘモグロビンは増えるため、ヘモグロビンを調べることでどれくらい高地に適応しているのかが分かるのでありますな。

もう1つの目的は、Escape Collectiveによると、パフォーマンス向上のため。一酸化炭素の吸引それ自体が高地トレーニングと同じ効果をもたらすという研究結果があることを報告。さらに、実際の高地トレーニングと一酸化炭素吸引を組み合わせることで「スーパー高地トレーニング」を実現できるとリポートしています(⇒出典)。

That research, plus other studies dating back years, strongly suggest that CO inhalation can itself provide similar effects to altitude training. By inducing hypoxia – a state of oxygen deprivation – CO inhalation can be used to prolong or even replace the performance-enhancing benefits of altitude training. It can also be used in conjunction with altitude training to maximise gains, as part of an approach called “super altitude.”

一酸化炭素の使用はもちろん検査のためです!

Escape Collectiveは容赦なく、一酸化炭素吸引の目的を当事者たるヴィンゲゴーとポガチャルに直接確認しています。彼らの回答はもちろん・・・

検査のためですよ!

取材を受けたポガチャルは、当初は質問の意味を理解していないとして「I don’t know what it is(それ何だか分からないよ)」と回答。その後、The Timesの取材に対し、UAEチームが一酸化炭素の使用を認めたことで、ポガチャルも丁寧に以下のように回答しています(⇒出典)。

It’s a test in altitude camp to see how you respond to altitude. You need to do this test, it’s like a two- or three-minute-long test. You breathe into a balloon for one minute and then you see the haemoglobin mass, and then you need to repeat it two weeks after. But I did just the first part of the test. I never did the second part because the girl who was supposed to come after two weeks didn’t come. It’s not like we’re breathing exhaust pipes every day in the cars. It’s just a pretty simple test to see how you respond to altitude training.

[抄訳](一酸化炭素吸引は)高地キャンプのテストで、どれだけ高地に適応しているかを調べるもの。受けないといけない検査で、検査自体は2~3分で終わる。1分間、風船に呼気を入れてヘモグロビン量を測るだけで、1回やったら次は2週間後にやり直すんだ。 でも僕がやったのは最初の1回だけだよ。2週間後に検査に来る予定だった女性が現れなかったので2回目の検査はしていない。この検査は、車のマフラーから排気ガスを毎日吸引するようなものじゃない。とてもシンプルな検査で高地トレーニングの適応状況を調べるものなんだ。

ヴィンゲゴーも同様に、一酸化炭素の使用はヘモグロビン値を調べるためと主張しています(⇒出典)。

We measure how many red blood cells you have in your blood and the effect of altitude training camp. One thing is what you have thought training at altitude did for you. Now we actually have something that can measure it. They [the doctors] say that they send something into the lungs that is similar to smoking a cigarette. We measure the day we get to our high altitude camp and then [on] the day we go back down. Then we see the difference in how much haemoglobin is built up. There is nothing more to it.

[抄訳]赤血球の数と高地トレーニングキャンプの影響を計測している。高地トレーニングは自分のためになると思っていたけど、今では実際にどれくらい役立つか測れるようになった。医者がタバコのような何かを肺に入れ、高地トレーニングをする日と低地に戻って来た日に測定する。どれくらいヘモグロビンが積み上げられたか、その差を測定するんだ。ただそれだけで、ほかには何もないよ。

一酸化炭素の乱用は危険が危ない

という感じで、一酸化炭素の使用はどうなんでしょうね!? 現状、WADAは禁止していません。Uno-X MobilityやEF Education-EasyPostなど、「血液ドーピングと同じ」と否定的に捉えるチームもいて、はてさて・・・

という訳で、ツールドフランスの優勝者も2位の選手も使ってる(; ・`д・´) 危険な毒ガス・一酸化炭素をなぜプロ選手は使うのか!? なお話でした。良い子の僕達・私達は一酸化炭素、絶対に使っちゃダメよ、本当に危険ですからね!!

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ロードバイク & マウンテンバイク ブロガー

海外の最新ロードバイク&マウンテンバイク情報や、関東地方を中心に日本全国、ときたま海外をサイクリングして自転車旅ならではのグルメや景色、楽しみ方を発信中。

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