注文から3週間、心待ちにしていたパイオニアペダリングモニターが届かずガックシ_| ̄|○ しょうがないから、ツイッターで紹介されていた論文翻訳したろ、そうしたろ(-_-;) 黒い自転車乗りにお馴染みのEPO、エリスロポエチンはダメ絶対(=効くぞ)なお話です(;´Д`)
剛脚サイクリストに対するEPOの効果
ツイッターで勝手にフォローさせていただいてる方が日本語の画像とともに論文のURLを紹介してくださってました。なのでそれを読み下します。
Effects of erythropoietin on cycling performance of well trained cyclists: a double-blind, randomised, placebo-controlled trial
論文のタイトルは「Effects of erythropoietin on cycling performance of well trained cyclists: a double-blind, randomised, placebo-controlled trial」。日本語にしますと、「よくトレーニングしたサイクリストのパフォーマンスに対するエリスロポエチンの影響:プラセボ対照二重盲検比較試験」であります。
EPO(エリスロポエチン)の効果
この論文が発表されたのは「The Lancet Haematology(ランセット血液学)」で、発表されたのは2017年6月29日だそう。ここから下は翻訳・意訳のオンパレードでお届けします。
研究の背景
EPOはドーピング対象として禁止されて久しいけれど、その科学的証拠が乏しかったそう。そこで、よくトレーニングしたサイクリストの最大運動(無酸素運動)と最大下運動(有酸素運動)、レースでのパフォーマンスを比較することにしたそうです。
今までEPOの効果を検証した研究ってなかったのかよ(;´Д`)
実験方法
実験方法は、健康でよくトレーニングした「プロでない」サイクリスト(18歳~50歳)をランダムに48人集め、そのうち半分(24人)にEPO(epoetin β)を8週間に渡って投与し、残りの半分(24人)はプラセボ(0.9%の食塩水)を投与。
ツイッターで出ていた画像では被験者が49人とありましたが、論文では48人となっておりました。はて何でだろう?? あと、ツイッターの情報では被験者のPWRが4以上だそうですが、その情報は論文URLからは読み取れず。
実験結果
んで、気になる実験結果。これがすごい。まず最大運動では、EPOグループがヘモグロビン濃度9.6 mmol/L(プラセボは9.0 mmol/L)、最大出力が351.55W(プラセボ341.23W)、VO2 maxが60.121 mL/min per kg(プラセボ57.415 mL/min per kg)で、どれもEPOが高くなっています。
最大下運動でも同様に、最大出力が283.18 W(プラセボ277.28 W)、VO2 maxが50.288 mL/min per kg(プラセボ49.642 mL/min per kg)と、EPOが高くなっています。
一方、レースのパフォーマンスではモンバントゥを実際に走ったそうで、レースでは違いが見られなかったそう。
EPOの研究から言えること
この研究から言えることを要約しますと、「EPOは最大運動で特に効果的」!
EPOは無酸素領域で効果があるらしい
論文では「最大運動では数値の向上が見られたが、最大下運動とレースでは影響が見られなかった」と結論しています。
無酸素領域で10W違うのは当然すごい効果だとして、有酸素域の影響は評価されておりませんな。最大下運動(有酸素域)でも5W違えば結構違うと思うんだけど・・・(-_-;) 取りあえずEPOが効果的なのは最大運動(無酸素領域)であることが確かめられました。
Although rHuEPO treatment improved a laboratory test of maximal exercise, the more clinically relevant submaximal exercise test performance and road race performance were not affected.
という訳で、EPOが臨床的に確かめられた数少ない?実験のお話でした。自己輸血の効果とかもいずれ調べられるようになるのだろうか??ドーピングの話はブラックながらも、とても興味深いでありますな・・・
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