日本人ローディーの誇り(?)でもある、本邦発グローバル企業のシマノ。そのシマノが揺れた「クランク割れ事件」を会社が認めたのが去年2023年のことでした(⇒参考記事)。あれから1年、「無償点検プログラム」の発表と実施でユーザーもショップもズコーッヽ(・ω・)/となって、アメリカでは集団訴訟まで起こされたのは記憶に新しいであります(その後進展ないけど 調べてみたらめっちゃ動いていました(◎_◎;)(⇒参考記事)。
そんな渦中のシマノクランクを点検し、必要に応じて交換手続きを行うショップが、なんとシマノ御大から「出禁」を食らったんですと(◎_◎;) なんで、どうして!? てゆーか、このクランク問題、まだ続いてるのね、このまま収束するのかしら。。。
「無償点検プログラム」利用禁止を言い渡される
元ネタはイギリスのバイクショップ「Mapdec Cycle Works」のYouTube。その中の動画で、シマノの無償点検プログラムの利用を禁止されたと訴えています。
We Got BANNED By Shimano! Here’s What Happened
このバイクショップが無償点検プログラムを利用できなくなったのか!? その理由を超簡単に説明しますと、「お客さんが点検に持ち込んだクランクを全部シマノに送り付けていたから」だそう。
We don’t bother inspecting them, we just ship them back, it seems to be the industry norm on all the bike and mechanic forums that we follow, they all just say just ship them back, get a new set.
[抄訳] わざわざ点検なんてしないで、そのままシマノへ送り返していたよ。それが自転車業界や、僕達がフォローしているメカニックの集まりの常識だもの。「送り返して新しいものに交換すればいい」とみんな言うだろうさ。
無償点検プログラムを利用できないショップのリストがあるらしい
ちなみに、プログラムの利用を禁止された後もMapdec Cycle Worksさんはクランクの点検や交換を続けているそう。ただ、プログラムに参加できなくなったので、シマノからショップに点検費用として支払われる35ポンド(1回の点検につき)を受け取ることができなくなったのだそうな。
もう1つちなみに、Mapdec Cycle Worksさん曰く、プログラムの利用禁止ショップをリストアップした出禁リストなるものがあるっぽい。「不具合の発見率で判断していて、自分達(Mapdec Cycle Works)は100%だからリスト入りしちゃったのではないか」と述べています。
「無償点検プログラム」は妥当だったのか?
不具合を認めるところからして、すでに非難轟々だったシマノのクランク割れ問題。「無償点検プログラム」という、ショップにもユーザーにも、なんなら環境にも優しい解決策は、果たして妥当だったのか・・・現在進行形で疑問が残るところです。
ユーザー(おそらくショップも)が求めているものは違う
「無償点検プログラム」は、じっくり考えれば三方良しの解決策だったと思うんです。多少(かなり?)の手間暇はかかるもの、ショップは点検費用を受け取ることができ、顧客との関係性を築くこともできる。顧客であるユーザー(僕達)は不具合なければそのままお気に入りのクランクを使い続けられるし、万が一不具合があっても無償で交換してもらえる。
一方、シマノにとっては、リコールという超大変かつ社会的信用の喪失につながる重大事案を回避し、ユーザーの声に耳を傾け、ショップとの関係性を深めることもでき、さらにクランクの大量廃棄を減らせて環境負荷低減に貢献できるかもしれない。
まさに近江商人的な三方良しを目指した感があります。んがしかし、フタを開けてみたら非難轟々、不満爆発。この件で、どれくらいのユーザーまたはショップがシマノから離れていったか(多分離れていくことはないだろうけど)分かりませんが、今回の解決策(無償点検プログラム)が求められていたものでないことは、今もなお尾を引く騒動(今回のような)からも明らかです。
このままなし崩し的に、もしくは事なかれ主義的(いかにも日本企業っぽいでしょうか!?)に収束に向かっていくのでしょうか!? ターニングポイントはアメリカの集団訴訟がどうなるか!?でありましょうかしらん(2024年10月11日時点の続報はこちら)。
という訳で、覚えていますか、クランク割れの無償点検プログラム? シマノからプログラムの参加禁止を告げられたショップがあるそうですなお話でした。
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